
秋田の“うんめぇもん”がぎゅっと詰まった居酒屋があります。その名も「秋田料理 わったりぼうず」。店名からしてただ者じゃない感が漂ってるんですが、入ってみると、なるほど納得。秋田の郷土愛が全身で伝わってくる、どこか懐かしくてあたたかい空間でした。
今回のお目当ては、もちろん「きりたんぽ鍋」。そして、その鍋の締めに用意されていた「稲庭うどん」。このセットがもう、胃袋も心も一撃で鷲掴みにしてくる破壊力。
まず、きりたんぽ鍋。土鍋の蓋を開けると、ふわ〜っと立ち上がる鶏だしの香り。比内地鶏のスープが使われていて、澄んだ色合いなのに驚くほど旨味が深い。きりたんぽは炭火で軽く焼き目をつけたものが使われていて、外は少し香ばしく、中はもっちり。スープを吸うほどにお米の甘みがにじみ出て、思わず「これが本物か…」と唸るレベル。
具材も芸が細かくて、セリの根っこまでしっかり入ってる。ごぼう、まいたけ、長ねぎなど、それぞれの旨味が溶け合って、食べ進めるごとにスープの奥行きが増していくのがわかるんです。途中からは無言。皆うまさに集中。
そして、締めの稲庭うどん。これがまた贅沢すぎる流れ。つるんとした細麺で、やや半透明の見た目が美しい。出汁の旨味をたっぷり吸っても決して崩れず、のどごし抜群。つるっつるの中にしっかりとしたコシがあって、最後の一杯で一気に“秋田の食の奥深さ”を体感できるような感覚でした。
店内は木目を活かした和の空間で、古民家風の照明や民芸品が飾られていて、落ち着きます。カウンター席もあるので一人でも入りやすいですが、掘りごたつの座敷席や4人掛けのテーブルもあり、会社帰りの飲み会や、しっぽり語りたい会にもぴったり。客層はビジネスマン多めですが、常連っぽい年配のお客さんもいて、地元に根付いた感もあり。
メニューもきりたんぽだけじゃなく、はたはたの一夜干し、じゅんさい酢、いぶりがっこクリームチーズなど、秋田の名物がずらり。次は「だまこ鍋」も食べてみたいし、日本酒のラインナップも充実していたので、ゆっくり呑みに行くのも良さそう。
「東京にいながら本気の秋田」が味わえたこと。観光地っぽい雰囲気ではなく、あくまで“日常の延長にある、ちょっといい夜”。そういう店に出会えると、また明日も頑張ろうって思えるんですよね。

電話番号 | 050-5462-4623 |
営業時間 | [月~木] ディナー:17:00〜23:00 LO22:00 [金] ディナー:17:00〜24:00 LO23:00 [土・祝前] ディナー:16:00〜23:00 LO22:00 [日・祝] ディナー:16:00〜22:00 LO21:00 |
定休日 | |
住所 | 東京都品川区西五反田1-7-1 リビオ五反田プラグマGタワーB1 |
ホームページ | https://wattaribozu.foodre.jp/ |