

秋葉原UDXの2階に広がる「秋葉原拉麺劇場」。ここは全国から集まったラーメン屋3店がしのぎを削るフードコートで、その中でも異彩を放つのが「満鶏軒」だ。今回いただいたのは「生姜醤油鴨中華そば」。その名のとおり、生姜の爽やかさと鴨の旨味が一体となった一杯だ。
まずスープをひと口。すぐに生姜の香りがふわっと鼻に抜け、その奥から鴨の甘みがじんわりと追いかけてくる。寿司のガリのようなピンク色の具材がトッピングされていて、ほんのり甘酸っぱいニュアンスを演出。これがまた鴨の出汁と相性が良く、意外にも全体をバランスよくまとめてくれる。
麺は中細ストレートで、しっかりとした歯ごたえがスープをよく持ち上げる。啜るたびに生姜の辛味、ネギのシャキシャキ感、さらに野沢菜のような青菜の小気味よい苦味が顔を出し、最後まで飽きさせない。甘み、辛味、そして旨味の三重奏が織りなすスープは、飲み干した後もしばらく余韻が残るほど印象的だった。
フードコートという形態ながら、店内は落ち着いた雰囲気で席数も十分。グループでも一人でも入りやすい。照明に照らされた各店の看板が並ぶ光景は、まるで小さなラーメン博覧会に来たかのようでわくわくする。スタッフもテキパキとしており、フードコートならではのスピード感がありながらも、丁寧な接客が感じられる。
客層は観光客からサラリーマンまで幅広く、秋葉原という立地らしく外国人の姿も多い。ラーメンを食べ比べしている人もいれば、気に入った一杯をじっくり味わう人もいて、それぞれの楽しみ方をしているようだった。
「生姜醤油鴨中華そば」は、ただ鴨出汁が濃いだけでなく、生姜と甘酸っぱいトッピングがアクセントとなり、全体を引き締めている。鴨のラーメンは脂のコクで重くなりがちだが、ここではむしろ軽やかに仕上げられているのが魅力だ。個人的には次回、もうひとつの看板メニュー「鴨白湯」もぜひ味わってみたいと思わせる完成度だった。
この一杯に出会えたこと自体が嬉しかったし、レビューを書く手も自然と熱を帯びる。秋葉原で新しいラーメン体験を探しているなら、「満鶏軒」は間違いなく候補に入れてほしい。
| 電話番号 | 03-6262-9579 |
| 営業時間 |
月・火・水・木・金・土 日 |
| 定休日 | |
| 住所 | 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 2F |
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