

羽田市場 銀座直売店でいただいたのは、看板の名物まぐろ丼。
特製ごまだれにやさしく浸ったまぐろがつやりと輝き、ひと口目から香り立つ胡麻のコクがふわり。あなたが残したメモの通り、このスタイルは私にとっても新鮮で、醤油のキレに頼りすぎない丸みのある旨みが、ご飯の甘みとすっと馴染みます。
しかも、ご飯は盛り放題。丼の良さは“白米との距離感”で決まると思っているのですが、ここは自分のペースでちょうど良い距離に調整できるのが嬉しい。
セルフのあら汁をよそって、湯気までごちそうに。魚の香りがふくよかで、口の中をふわっとリセットしてくれます。今回の食後感をひと言でいえば、満腹より“満足”が先に来るタイプ。私のレビューとして、心地よい余韻が長く続く丼でした。
名物まぐろ丼の特徴は、まず切り身の厚み。薄すぎないのに噛み切りやすく、ごまだれをまとった面のなめらかさが印象的です。胡麻は香りだけでなく、脂の甘みをやわらかく包む役目も果たしていて、まぐろ自体の味がちゃんと立つ。
さらに、丼の脇を固める薬味が実直。わさびは辛味が出過ぎず、香りで寄り添い、刻み海苔は香ばしさを加える黒子役。ご飯はやや固めで、丼としては理想的な炊き上がり。盛り放題だからといってべちゃっとならない配慮が感じられ、終盤まで粒が立っています。
店内は清潔で明るく、昼はさっと食べたい常連や近隣ワーカー、夜は一杯やりながら肴をつまむ客も多い印象。立ち寄りやすさと“魚の専門性”の両立がこのお店の強みで、厨房からは小気味よく包丁の音が響きます。スタッフの方々はテンポよく、でも急かさない。ご飯の盛り具合やあら汁の案内もさりげなく、初めてでも戸惑いにくい導線ができています。席はカウンター中心で回転がよく、丼を受け取ってから食べ終えるまでの流れにムダがない。昼休みの限られた時間でも安心して寄れます。
他のメニューも、まぐろに限らず日替わりで“今おいしい魚”が顔を出すのが楽しいところ。漬けや炙り、海鮮ユッケ風など、味付けの軸はしっかり保ちつつ、素材の魅力を邪魔しない引き算の設計です。お酒のラインナップはキリっとしたハイボールやすっきり系の日本酒が中心で、夜は軽く一杯と丼の組み合わせがよく似合う。個人的には、次回は刺身系の盛り合わせと小丼の“二段構え”でいきたい気分。昼は丼に集中、夜はつまみと合わせて、という二つの顔を持てるのがこの店の懐の深さだと思います。
特に良かった点を挙げるなら三つ。ひとつ目は、ごまだれの仕事が上品で、最後まで重くならないこと。ふたつ目は、盛り放題のご飯が“自由さ”に直結して、丼の満足度を自分で設計できること。みっつ目は、セルフのあら汁。これは単なるサービスにとどまらず、丼とあら汁を行き来することで味覚がリフレッシュされ、食べ進めるテンポが気持ちよく整うのです。席に座った瞬間から食べ終わるまで、体験が一本の線でつながる感じがたまらない。派手さに走らず、きちんとおいしい。通いたくなる理由はここにあります。
立地は銀座ながら気取りがなく、昼は小走りで駆け込み、夜はふらっと寄って軽く一杯という使い分けが成立。丼目当ての人も、海のつまみで飲みたい人も、それぞれの正解が見つかるはず。名物まぐろ丼の“ごまの香りに包まれる幸せ”は、魚好きにはもちろん、普段は丼をあまり選ばない人にも開かれた入口だと感じました。銀座で魚をおいしく、手早く、気分よく。そんな一食を探しているなら、ここは候補に入れて間違いない一軒です。
同僚っきーと
| 電話番号 | 03-4582-2394 |
| 営業時間 | 月〜金 11:00〜14:00/17:00〜22:00(L.O.21:30) |
| 定休日 | 土曜・日曜 |
| 住所 | 東京都中央区銀座8-15-6 クリスタルスクエア銀座1F |
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