
「中華そば」。クラシカルな響きに惹かれつつ、ひとくちスープを啜ればその意外性にハッとさせられます。これは“懐かしさ”と“革新”が絶妙にブレンドされた、まさに現代の中華そば。
まずスープ。魚介と動物系のダブルスープに、淡口しょうゆが効いたあっさり系かと思いきや、ぐっと奥行きのある旨味がじんわり押し寄せてくる。昆布や煮干しの繊細な風味に加え、ほんのり香る香味油の演出が憎いほど上品。
麺は、やや平打ちの中太ストレート。つるっと滑らかで、スープの絡みも絶妙。噛むたびに小麦の香りが立ち、これだけでも食欲がそそられるのに、炙りチャーシューがまた旨い。香ばしさと脂の甘みがスープの旨味をさらに引き立ててくれます。
トッピングも芸が細かい。紫玉ねぎの食感がシャクッと楽しく、穂先メンマはやわらかくて上品な味つけ。スープが濁らないように絶妙な量で盛りつけられていて、ビジュアルもどこか和モダン。
店内は木を基調としたナチュラルテイストで、ラーメン屋というよりはカフェのような雰囲気。カウンター席がメインですが、テーブル席も2卓ほどあり、女性ひとりでも入りやすい明るさがあります。ランチタイムは近隣のビジネスマンで混み合いますが、どこかゆとりのある空気が流れていて、居心地の良さを感じました。
接客もすこぶる丁寧。オープンキッチン越しにスタッフが軽やかに動きつつ、食事のタイミングや空席状況にも目を配っているのが伝わってきます。特に印象的だったのは、ひとり客への気配り。女性客が食べ終わるころにはお冷の補充とともに「ごゆっくりどうぞ」と声をかける自然な対応。こういう“ほんのひと手間”が、また来たくなる理由のひとつ。
他のメニューもそそられました。ヴィーガンラーメンや、スパイス香る担々麺、野菜だしベースのラーメンなど、ジャンルを超えて「食の多様性」を感じられる構成。その中でも次に気になっているのは「ビーガンベジそば」。野菜だしだけでどこまで深みを出せるのか、今から楽しみです。
ソラノイロで特に嬉しかったのは、「ラーメン=ジャンク」というイメージを覆す、ヘルシーさと本気の美味しさの両立。心も体も満足できるラーメン体験でした。

| 電話番号 | 03-3263-5460 |
| 営業時間 | [月~金] ランチ:11:00〜15:00 ディナー:18:00〜21:00 |
| 定休日 | 毎週土曜日 毎週日曜日 祝日 |
| 住所 | 東京都千代田区平河町1-3-10 ブルービル本館1B |
| ホームページ | https://soranoiro-vege.com/shops/1171.html |