



立石の商店街を歩いていると、ふと香ばしい味噌の香りが鼻をくすぐる。その先にあったのが「一力」。
ここでいただいたのは、看板メニューの「味噌ホルモンメン」。名前からはシロモツのような食感を想像していたが、ひと口でその先入観は吹き飛んだ。
ホルモンといっても、実際は豚のバラ軟骨にあたる部位。これが驚くほどやわらかく、スープの熱と味噌の旨味を吸って、口の中でホロっとほどける。脂身はしつこさがなく、むしろ甘みとコクが広がっていく。
麺は特徴的な平打ちタイプ。一般的なラーメンの細麺や中太麺とは違い、やや幅広の麺肌がつるりとしていながらも、噛むともちっとした弾力が返ってくる。
ピリ辛味噌スープと背脂がこの麺にしっかり絡み、すすった瞬間に鼻腔へ香り立つ。味噌はまろやかさの中にスパイス感を潜ませていて、冬の寒さだけでなく、夏の疲れた体にも効くようなパンチがある。見た目よりは意外とあっさりしているスープ。
店内は昔ながらの食堂風で、カウンターとテーブル席があり、地元の常連さんらしきお客さんが次々と訪れる。壁には手書きのメニュー札が並び、ラーメン以外にも炒飯や定食メニューが充実しているのが目に入った。味噌チャーシューメンも人気らしく、次回はそのあたりを注文してみたい。
今回の「味噌ホルモンメン」は、名前からの予想を軽々と超えてくる一杯だった。スープ、麺、具材、それぞれのバランスが計算され尽くしているわけではないのに、なぜか全てが噛み合ってしまう。背脂のコクと味噌の香り、やわらかな豚バラ軟骨の食感…すべてが一体になって、「もう一口、もう一口」と箸を止められない中毒性がある。
食べ歩きを続けてきた中でも、この「味噌ホルモンメン」はかなり印象深い存在だ。
あの立石の空気感と一緒に味わうからこそ、より美味しさが引き立つのかもしれない。今回のレビューを一言でまとめるなら「予想を裏切るやさしい衝撃」。立石に来たら、また必ず寄りたい。
| 電話番号 | 不明 |
| 営業時間 | 17:00 - 23:00 |
| 定休日 | 日曜日 |
| 住所 | 東京都葛飾区立石7-7-11 |
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